「欲を言えば、またマンUを目指してほしい」
玉乃は言う。
「結構、そのメンバー外とか、しようがないよ。チーム、監督によっては、メンバー外になったり、王様になったり。それはもう宿命だから」
監督やチームの状況によってメンバーに選ばれる、選ばれないは、サッカー選手としての運命のようなものなのだろう。香川は、監督トゥヘルとの対話を踏まえながら、ヘルタ戦でベンチ外になってからの一連の流れに対する、自分なりの回答を見出している。
「まだまだ自分に物足りないものがあるって受け止めるしかないですし、そこはそこで受け止めて、個人的にもこういう状況にまた打ち勝つためにどうしたらいいのかっていうのもまた戦いですし、これをポジティブなものにしてやらないと、必ず飛び越えることができないと思うので、まずは1日でも早く、結果として証明して行けるようにやっていきたいと思います」
長い目で見れば、今の後半戦に入ってからの停滞も、「成長の余地」と言えるのではないだろうか。玉乃の中でも、最初に握手を交わしたときから、香川に対する憧憬が変わるところはない。
「まだまだ、これから。ELで暴れてほしいよね。ELで、大事なところで点を取ってほしい。そしたら、また、景色が変わるから」
18日にはヨーロッパリーグの決勝ラウンド、対FCポルト戦が控えている。
「大事なところで点を決めれば、ステージが変わる。欲を言えば、またマンUを目指してほしい。バイエルンとか。誰でも知っている監督のもとに行ってほしいよね。マンCに行くとかさ。そこの位置にいるからさ、日本人の中で、唯一、彼は…」
マンチェスター・シティは、来季からペップ・グアルディオラが指揮官に就任して、エティハド・スタジアムは新たなステージに突入する。
玉乃は、“3度目の場所”を既に決めている。次は日本代表戦で、解説者として、香川と握手を交わす。
そのとき香川は、どのように進化を遂げているだろうか。
香川真司の可能性は、まだまだ尽きるところはない。
【了】