自分は若手選手にとって手段にすぎない
上位4位からも離され始め、チャンピオンズリーグ出場権の見込みも失いつつある今、ファン・ハールによれば、チームが今季経験した数々の怪我は、ユナイテッドがプレミアリーグのタイトルに名乗りをあげられなかったことの大きな原因だった。
だが人的な問題の裏を返せば、ジェシー・リンガードやキャメロン・ボースウィック・ジャクソンといった地元出身の若手の台頭や、9月にモナコから加入したアントニー・マルシャルの異彩を放つ進化もあった。
アヤックス、バルセロナ、バイエルンで若手に自由にやらせてきたように、リスクはあるものの、機会をつかもうとする若い選手を自分は常に信頼するとファン・ハールは言い切る。
「マンチェスター・ユナイテッドの文化とマンチェスター・ユナイテッドのプレースタイルで自分の選手を育てることはどんな時でもよいことだ」とファン・ハールは言う。
「それはとても重要だ。私はチームを極力小さくし若手を受け入れるというリスクを取ってきた。怪我が増えれば問題も増えるが、リンガードやボースウィック・ジャクソンにもチャンスを与えてきたし、マルシャルやメンフィス・デパイもとても若い選手だ」
「たとえばチャビやイニエスタを見てきただろう。私はバルセロナで彼らにデビューの機会を与えた。チアゴ・モッタもそうだ。ただ、彼ら若い選手たちは自分自身で成果を出さなければならない」
「私が去れば、もう彼らを助けることが出来ない。彼らは自分でやらなければならない。ただこれはとても良いことでもある。結局私は彼らの目標のための一つの手段にすぎないからだ。やるのは選手自身だが、私は選手たちにとってとても良い手段かもしれないのだ」
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