メディアブースに入ると態度が変わるオランダ人指揮官
TVカメラが回っていないと、ルイス・ファン・ハールはよく笑う。冗談も好きだ。だがこのマンチェスター・ユナイテッドの監督の公の場での顔は、カリントンの練習場で見せるものとは全く違う。
今シーズンは、試合後のインタビューや記者会見で見せる好戦的なファン・ハールのイメージに事欠かなかった。自身でもメディアブースに入ると「挑発的」になることを認める。
今週開かれたカリントンでのサポーターイベントで、会場内に記者である私の存在に気付いたファン・ハールが急に司会者を止めに入り、自身のメディアに対する警戒心について話し出したときは、いささか居心地の悪い瞬間だった。
「彼には目を光らせておかなければなりません」と、演台を去る前にファン・ハールは聴衆に向かって言った。そして私の横の席の椅子を引き、大げさにハグをしてみせた。自分は実のところ、恐ろしくなどないということを示すためだった。
日々ファン・ハールと働く人たちに聞くと、茶目っ気な面はいたるところで見られるようだ。グラウンドスタッフは彼の礼儀正しさについて話し、クラブの料理人であるマイク・ドネリーは監督に、彼やその他のユナイテッドのサポーターが結果や今後の対戦について感じることを定期的に直言していると教えてくれた。
「私と働くすべての人が、私を人として覚えて欲しいと思っている」
監督と過ごした一時間に満足したファンが帰宅した後の雑談で、ファン・ハールは私にそう語った。
「カリントンは特別だが、私にとってはミュンヘンもバルセロナも同じく特別だ。 こういう感じかどうかはわからないが、私は人々が好きだ」
「従業員の仕事に注意を払えば、違いが出てくるものだ。私は彼らの仕事に共感を覚えている。職場では人間的でありたいんだ。時々選手は私のコミュニケーションにうんざりしているが、それが私のやり方であり、彼らは私の考え方を知っている。みな私がとても率直な人間だとわかっている」。