新監督は“名将”か“迷将”か。新戦力のフィットも鍵に
今季からチームの指揮を執る小倉新監督はこれまで解説業がメインで、トップレベルで指導の実績がない。それだけにどんな結果が出るのか読めない部分がある。
また闘莉王が抜けた守備陣の再構築は急務だ。本職のCBが3人しかいない今、柱として期待されるスウェーデン人のオーマンが順応に苦しめば状況は一気に厳しくなる。SBは選手層に不安こそ抱えるものの、コンバートで新境地を開拓した矢野貴章と日本代表経験のある安田理大の実力に疑いはない。
現在のチームでレギュラーが確約されているのはGKの楢崎と昨季10得点の永井謙佑の2人のみだろう。最前線は新加入のスウェーデン人FWシモビッチだけでなく川又堅碁も調子を上げている。野田隆之介が負傷から復帰すれば激選区になる。
小倉監督がうまく競争を喚起しながら適切なバランスを見出せれば上位争いに絡める可能性もある。しかし、未知数な指揮官のマネジメントが後手を踏めば途端に“迷将”のごとくチームが崩壊してしまう危険性も考慮しなければならない。今年の成功と失敗は紙一重だ。
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