日々深まる本田への理解。チームメイトも称賛
「本田は信頼できる選手の一人だ。ボールが外に出てしまわない限り彼はチャンスを信じ続けている。他の選手のようなタレント性まではないかもしれないけど、こういう選手がいることでチームは目標に到達することが出来るんだ」
試合後、モントリーボは地元メディアに対し、本田についてこう語っていた。実際のところ少し前から両者の連携は良くなりつつあった印象があるのだが、この日は特に細かいパス交換で局面を打開するプレイが目立った。
チームの勝利に貢献するためのハードワークを通して、周囲は本田圭佑というサッカー選手の本質を理解した。本田がいいプレイをした後にはボナベントゥーラらがタッチを求めに行っていたし、2点目のゴールの際にはミハイロビッチ監督がスタンドからも良くわかるくらい喜びをあらわにしていた。
またハードワークに応えるためには当然フィジカルの充実が重要な条件だが、それは本人のプレイのキレにも跳ね返ってきているような印象を受ける。ボールをライン際に残した1点目の走り込みやバックステップの少ないシュートなどはその顕著な例。走り回りながら、スピードと精度を保つだけの筋持久力が保たれているということなのだろう。事実1月からカップ戦も含めフル回転だが、振り返ればここまで調子の波は少ない。これもまた、特筆すべき事象だ。
「ミランでのゴールよりも、チームが勝ったら僕が勝たせたというふうに書いてもらえたら嬉しいなと思います」。本田は再び、そのように強調した。チームの勝利を優先して取り組み、その結果選手個人としても輝きを放ち始めている。全ては、チームのためのハードワークに殉じたことから始まっていたのである。
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