苦悩を乗り換えて掴んだ1年4ヶ月ぶりのゴール
1年4ヶ月ぶりのゴール。「ダメだろうと思われているところでひとつ山を越えた」としみじみと語っていたが、当然のこと苦悩やプレッシャーも大きかったはずだ。
しかし注視すべきは、本田が個人成績だけを追い求め、他のプレイをおざなりにした結果結びついたゴールではないということだ。この最近の2ヶ月間は特に、別のことにエネルギーを費やしていた。お分かりだと思うが、チームに貢献するためのハードワークである。
自ら「適性がない」と語ったサイドハーフを黙々とこなす。守備に奔走し、飛び出した味方のカバーに入り、展開を考えながらシンプルにボールをつなぐ。率先してハイボールを呼び込んでパワープレーをこなし、気の利いたアシストもする。
そういう意味では、カルロス・バッカの先制点を演出したプレーの方がより象徴的ではあった。CKの流れからリッカルド・モントリーボがスペースへと出すが、オフサイドポジションに残っていた味方は反応できない。本田はそこに走り込み、ボールをタッチライン際に残し、再びそれを拾ってクロスを放った。
【次ページ】日々深まる本田への理解。チームメイトも称賛