複雑なクラブ事情も理解。現状打破に自信
ここ最近なかなか試合に絡めないのには理由がある。ドルトレヒトは冬の移籍市場で際とポジションが被る2人の選手を獲得していた。右SBにフローニンゲンからグレン・ビジルを、左SBにはAZからオランダU-19代表経験のあるフース・ファン・ウェールデンスブルクが加わった。
選手を借り受ける2部クラブの立場としては、格上の1部クラブからやってきた若手を積極的に起用せざるをえない。監督の意向がどうであれ、両クラブの関係を良好に保たなければ今後の補強に影響するからだ。資金力に乏しい小クラブはレンタルをうまく活用しなければ生き残っていけない。
際も事情をよく理解している。「チームは”生き物”。プロは単純な世界じゃないし、監督交代や移籍、ちょっとしたことで状況が一変する。でも自分が出られないことに文句を言うのではなく、『何で際を使わないんだ?』と言われるようにならなければ。もちろんスタメンで出場する自信はある」と語り、難しいポジション争いにも強い意欲を示す。
リオデジャネイロ五輪行きが決まったU-23日本代表の構想に入っているのも事実。チームの大枠に含まれており、これまで夢と語るしかなかった大会に大きく近づいた。際本人も人生で一度しかないオリンピック出場のチャンスを掴むため、今季後半戦でのアピールに燃える。最終メンバー18人の”狭き門”をくぐるには所属クラブでの活躍が鍵になるからだ。
【次ページ】五輪のため少ないチャンスを確実に掴む