真新しさのない勝利が示す“完成形”
もちろんマンツーマン気味の守備を苦手とし、カウンターからのピンチを招きやすいといった弱みを、改めてボーフム戦では見せている。77.1パーセントという高いボール支配率を見せたが、43分に相手が退場者を出して1人少なくなったことも関係しているだろう。しかしそういったことも踏まえてのペップ・バイエルンなのだ。弱点のないチームはこの世に存在しない。
レバンドフスキが“リラックスと集中”を発揮して38分と90分に2ゴールを決めて、バイエルンは3-0でボーフムを下す。DFBポカールの準決勝進出を決めた。レバンドフスキの冷静なフィニッシュもまた、動物的な感性の現れと言えるだろう。
バイエルンは次戦を4月にブレーメンと対戦する。いよいよペップ・バイエルンも終わりに近づいてきた。“らしさ”の詰まったボーフム戦だったが、真新しさがなかったこともまた事実だった。
ペップ・バイエルンは、もはやこれ以上進化しないだろう。昨年の12月、既にペップの退任は決定している。DFBポカール準々決勝のボーフム戦で、ペップとバイエルンは完成形を見せた。
後は知性と動物性で、タイトルに挑むだけだ。
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