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香川真司 9年前

香川、前節招集外の真相と独杯先発は? トゥヘルが評価する「今」。ドルトにある純粋な競争

text by 本田千尋 photo by Getty Images

香川と同様「BVBの全てのスター」に保証はない

 また『キッカー』誌は、「トゥヘルは全てのスターを緊張下に置く。名前や功績に依存しない」と記している。見方を変えれば、現在BVBでは純粋に競争が行われている、ということにもなるだろう。前半戦は全くと言っていいほど出番のなかったライトナーにも、チャンスはあるのだ。

 そう考えれば、ここで香川がベンチ外となったという事実は、依然として香川にもチャンスがあるということの裏返しでもあるのではないだろうか。

 トゥヘルが常に「今」を評価軸の中心に据えるのであれば、ヘルタ戦で左のインサイドハーフで先発したとしても、カストロにポジションの保証はないのである。そしてそれは「BVBの全てのスター」に言えることだ。もちろんそこに香川も含まれている。

 9日にはDFBポカールの準々決勝、シュトゥットガルト対ドルトムントの一戦が控えている。ドルトムント戦に向けて、シュトゥットガルトの監督ユルゲン・クラミーは「我々にとっては全ての選手が重要だ」と語った。そうした考えをまた、トゥヘルも持っているのかもしれない。

 8日付の『キッカー』誌は、シュトゥットガルト戦でのドルトムントの先発予想を次のとおりとする。

【GK】ビュルキ、【DF】ピシュチェク、ソクラティス、フンメルス、シュメルツァー、【MF】バイグル、ギュンドアン、カストロ、【FW】ロイス、ムヒタリヤン、オーバメヤン。

『キッカー』誌の先発予想の中に、香川の名前はない。しかし、ヘルタ戦でBVBの攻撃が機能せず0-0のドローに終わったこと、またポカール準々決勝のシュトゥットガルト戦まで中2日であることも含めて考えれば、メンバー入りの可能性は、まだ閉ざされてはいないのではないだろうか。

 トゥヘルの「今」を重んじる姿勢を鑑みれば、なおのことである。

【了】

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