補強の目玉は課題の“守備”。今年も新戦力が明暗分ける
今季の補強で目立ったのは守備陣だろう。ブラジル人でMFもDFもこなせるエドゥアルド・ネット、韓国代表GKチョン・ソンリョン、U-23日本代表DF奈良竜樹といった即戦力クラスを補強した。懸案だったGKには千葉で試合経験を積んだ高木駿も復帰しており、例年以上のハイレベルな競争が期待される。
彼らが活躍すれば間違いなく失点は減るだろう。しかし、昨季と同じくチーム戦術体得に苦しめばプランは崩れてしまうだろう。
中盤には狩野健太や原川力ら技巧派が、前線にも森本貴幸と大塚翔平という実力者が加わった。彼らも昨季の杉本や船山のように困難が待ち受けているかもしれないが、“産みの苦しみ”を抜ければ魅力的な攻撃陣であることに疑いはない。
タイトル獲得以外許されないといっても過言ではないプレッシャーのかかるシーズン。依然リーグのトップとは総合力に差があるものの、自分たちの力でクラブの悲願を成し遂げれば未来に向けた明るい礎を築き、新クラブハウス完成とともに川崎Fの新たな歴史を作れるに違いない。
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