新戦力が機能せず。大久保の3年連続得点王もむなしく…
昨季最大の誤算は何と言ってもレナトの中国移籍だったが、補強した新戦力が順応に苦しんだこともチーム力に大きく影響した。守備力改善を期待された角田誠は夏に清水エスパルスへと移籍し、杉本健勇と船山貴之が去ったことが「風間スタイル」の難しさを象徴している。
一方、古参の選手達は期待に違わないプレーを見せた。大久保嘉人は史上初の3年連続得点王を獲得し、中村憲剛や大島僚太らと息のあった連携を披露。移籍するまではレナトも持ち味のドリブルで異彩を放っていた。
しかし、肝心の守備には改善が見られたとは言い難い。得点数はリーグ3位だったが、失点数は少ない方から10番目と優勝を狙うには厳しい数字だった。毎年同じ課題を克服できずにいるが、風間八宏監督の信念がブレることはない。
あと1本のパスが通れば、あのコントロールがうまくいけば…わずかなディティールを突き詰めるだけで到達できる目標が、スタイルを極めた先にあるのは事実。そんな未来を風間監督5年目のシーズンに見せられれば、悲願のタイトルが現実のものとなるだろう。