本田は右サイドで先発も…攻撃の起点は左へ
蓋を開けてみれば右サイドだった。ウディネーゼ戦のプレビュー記事として「本田圭佑は左で起用される可能性が高いと自信ありげに書いただけに、やはり不明をお詫びしなればなるまい。信憑性では他の記事を笑えないことを晒してしまい、恥ずかしい限りである。
左サイドのジャコモ・ボナベントゥーラは欠場。しかしケビン・プリンス・ボアテンクが頭から使えるコンディションになく、他に左が出来そうな選手が他に考えられなかったからとは言っても、完成されていた右サイドの連携を崩して本田を左に回す、というのも考えればナンセンスではあった。そして事実、シニシャ・ミハイロビッチ監督もそのように判断し、右サイドの維持を決めた。左サイドにはユライ・クツカが回された。
もっとも維持されたはずの右サイドから、前半はあまり攻撃が起こらなかった。どういうわけかボールは緊急避難的に回されたクツカのいる左サイドへと回る。さすがにサイドに開いて突破を仕掛けるタイプでもないから、中盤の攻撃はどんどん内側へと寄る。ここで本田が中へ絞るようなポジショニングをすると中が密集してしまうため、戦術上外に張り付かざるを得なくなった。
しかし、全体の意識が左へ回っていたのと、ウディネーゼのプレスがかなり厳しかったせいで、前線の右サイドへワイドに張り出す本田にパスは出なかった。ボールに触れなければプレーのしようがなく、試合の流れからは消え気味になってしまう。失点の場面ではセットプレーの守備でアルメロを逃してしまったこともあり、印象は良くないものになってしまった。
後半、ミハイロビッチ監督から修正が入ったのか、チームは積極的にサイドへ開いた本田を探すようになる。するとようやく、これまでの試合で続けていた攻撃の仕掛けがコンスタントに繰り出されるようになった。パスを散らして、スペースへと流れる。サイドからボールを持てば、ゆったりとした状態からフェイントで駆け引きをし、アングルを確保してクロスを入れた。