「ヘルタが3位にいることはまぐれじゃない」
対するヘルタは終盤に、鋭いカウンターでBVBを脅かした。
76分のカウンター。カルーからエリア内の右で原口がボールを受けて折り返す。しかしクリアされてカルーとのワンツーは成立せず。
78分のカウンター。原口がカルーにパス。原口はカルーの右の外側を回る。カルーが自らシュートを打つ。
「早めに出してもう一回おいしいところもらいに行こうとしたんですけど、サロモン(・カルー)はもうちょっと持ってから出してほしかったみたいで」
振り返る原口の顔には、笑みがあった。
「おいしいところをもらいに行ったんですけどね。まあ、決めてくれたら良かったですけどね」
シュートはゴールの左に外れた。カルーは決めきれなかった。ヘルタは、ドルトムントと0-0で引き分けた。
原口は「勝ちたかった」と言う。悔しさが滲む。勝ち点3には届きそうで届かなかったが、ヘルタはそれだけの戦いをした。原口も「前回やった時よりかはチームとして進歩している」と手応えを感じた。だから試合後に笑顔もあったのだろう。
勝利を収めることは出来なかったが、確固たる勝ち点1を掴んだことは間違いないのだ。
シュメルツァーは認める。
「ヘルタが3位にいることはまぐれじゃない」
ヘルタ・ベルリンが3位の座に相応しいことを証明した、ボルシア・ドルトムントとの激闘だった。
【了】