「最高の雰囲気」だったオリンピア・シュタディオン
ヘルタ・ベルリンは、最後まで粘り強く戦った。2016年2月6日のブンデスリーガ第21節、ボルシア・ドルトムントを迎えたホームゲームでのことだ。
3位と2位の直接対決だった。西日が射すオリンピア・シュタディオンの観衆は、7万を超えて燃えた。原口元気は「最高の雰囲気」と振り返る。
前半からヘルタは自信を持って戦った。昨年8月の第3節のように、ただ引いてカウンターを狙う姿はなかった。臆するところはない。
原口は言う。
「前回は本当に何もできずに終わってしまったんですけど、今回はチームとしてシュートまで行くシーンもありましたし、対等と言ったらアレですけど、しっかり戦えたんじゃないかなと思います」
ヘルタの監督ダルダイは「我々はスペースをとても狭く保った。戦術的に優れた成果を示した」と言う。決して引き過ぎず、4-4-2で中盤をコンパクトに保った。献身的に守備をして、玉際をタフに戦う。原口は対面するピシュチェクをマークする。CBからSBへと渡るボールに追い縋った。
8分、ギュンドアンがドリブルからミドルシュートを放つが、ゴールの右に外れる。13分、鋭いカウンターに出た原口を、オーバメヤンが潰した。どちらも相手に決定的なチャンスを与えない。
ドルトムントの心臓=バイグルは「ヘルタはとてもアグレッシブで、とてもハードに良く守り、そしてまた勇気を持ってプレーした」と振り返る。
「僕らにとってはとても難しい試合だった」
原口も気迫のこもったプレーを見せた。30分、ロイスからボールを奪う。キープして、プラッテンハートに繋ぐ。35分の時点で1対1の勝率は、ヘルタ:ドルトムント=51%:49%だった。ヘルタがわずかに上回る。