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Jリーグ 9年前

データが提示する厳しい現実。Jリーグの試合に“迫力”がない理由【データアナリストの眼力】

シリーズ:データアナリストの眼力 text by 海老沢純一 photo by Getty Images

CSでもスプリント数がブンデス平均に達せず

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表1:両リーグの走行データの平均値。表2:ブンデスリーガ平均と2015CS決勝のスプリント割合。

 さらに、両リーグの平均を数字にしたものが表1である。昨季のブンデスリーガとJ1ではスプリント回数で61.5回、走行距離で3.15kmもの差が生まれている。

 また、J1の1stステージに比べて2ndステージは両データともに減少する傾向が生まれている。これは2ndステージが真夏の7月にスタートしていることも要因の1つにあるだろう。夏場は夜間の開催であっても、酷暑と多湿であることに変わりはなく、選手の足取りを重くしている。

 一方で、2ndステージは年間順位が決まる重要なステージであり、気温も下がる10月以降はチャンピオンシップ進出争いや残留争いなど負けられない試合が続くため、各選手が慎重になっているのかもしれない。

 ただ、ブンデスリーガでは今季前半が昨季のトータルとより少ない数字となっているため、逆に後半戦でスプリント回数、走行距離ともに上昇する傾向にあるとも考えられる。

 J1では後半に下降、ブンデスでは後半に上昇となれば、それは選手、チームのメンタル面の問題なのではないだろうか。

 例えば、表2はJリーグチャンピオンシップ決勝を戦った広島とガンバ大阪のデータである。集中走行(Int.Run%)は、スプリント(24km/h~)とその少し手前となるハイスピード(21~24km/h)で走った割合を示す数値だが、広島は2試合平均で1.42、ガンバ大阪は1.76。ブンデスリーガの8.73と比べると約5倍もの差がある。

 J1では年間王者のタイトルがかかった大一番で、ブンデスリーガの毎週行われているリーグ戦よりも選手たちが全力で走っていないというのは、あまりにも寂しいといわざるを得ない。

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