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Jリーグ 9年前

データが提示する厳しい現実。Jリーグの試合に“迫力”がない理由【データアナリストの眼力】

シリーズ:データアナリストの眼力 text by 海老沢純一 photo by Getty Images

スプリント回数が圧倒的に少ないJリーグ

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図3:図1と図2を1つにまとめたもの。縦軸がスプリント数、横軸が走行距離。十字の線は平均を示す。

 本題はここから。図3は先ほど紹介した図1と図2を1つにまとめたもの。このグラフを見ると、衝撃的な事実が浮き彫りとなっている。

 各項目の中央に引かれている十字のラインはそれぞれの平均値を表している。そして、スプリント回数でブンデス勢とJリーグ勢はくっきりと平均以上・以下に分かれている。

 なぜこのような現象が起こったのか? まず、このスプリント回数の計測方法は1つのスプリント機会に対して1人がスプリントしていれば1回、4人なら4回と人数で加算されている。

 庄司氏は「つまり、ブンデスリーガのチームはカウンターや得点の好機に複数の選手が一斉にゴール前へ目がけてトップスピードでなだれ込んでくるということ」と説明している

 今季、カウンターからの得点が1点しかなく、走行距離が約111.2kmのバイエルンでさえ、114.7kmの松本山雅や115.7kmの湘南よりもスプリント回数が多い。

 さらに走行距離の面でも、1試合平均750本のパスを繰り出し67%の支配率を記録し、18試合でわずか9失点のバイエルンより少ないチームが7チームもあるのは奇妙といっても言い過ぎではないだろう。

 巷では「Jリーグは欧州に比べて迫力がない」という意見も少なくないが、このデータを見ればそういった声も否定できない。平均身長182センチを超える大男たちが全速力で一斉に走り出す光景は、画面越しにも威圧感を感じるはずだ。

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