東京からの申請の場合、ビザ取得に必要な期間は?
(2) 英語力(English language skills)
10ポイントが必要です。イギリス政府の認証する英語力試験を受験し、合格すること等により、10ポイントが与えられます。
スポーツ関係者の場合、求められる英語力の水準は、自己および第三者を紹介できるだけの日常的な表現および極めて基礎的な言い回しを理解し使用できることと、個人的情報についての極めて基礎的な質問を行い、回答することができることです。
この水準はヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages)におけるA1レベル(初学者レベル)と同等とされていることから、この条件のハードルは低いといっていいでしょう。
(3) 生活費(Maintenance(Funds))
10ポイントが必要です。945ポンド(約16万円)の貯蓄があることで、10ポイントが与えられます。こちらもサッカー選手にとっては障害とならない条件でしょう。
第2階層のビザの取得による滞在期間は最長3年間です。
第5階層(Tier 5)のビザ
第5階層のビザは、一時的労働者(Temporary Worker)と青少年交流(Youth Mobility Scheme)を対象とするビザです。一時的労働者には5つのサブカテゴリ(創造的業務・スポーツ関係者、慈善団体関係者、政府の許可した人的交換、国際協定に基づく入国者)があり、サッカー選手の場合、スポーツ関係者としての申請を行うことになります。
その具体的な条件は、英語力が不要となる点を除き、第2階層とほぼ同様です。スポーツ関係者の場合、第5階層のビザの取得による滞在期間は最長12ヶ月です。
第2階層のビザと第5階層のビザのいずれも、イギリス入国の3か月前から申請することができ、3週間以内にビザの取得可否の決定がされるのが一般的です。東京からの申請の場合さらに処理が早く、15日以内に決定がされるものとされております。
もっともこれはあくまで標準的な処理期間であり、事案によっては処理期間が延びることもあります。川島選手のケースでは、何らかの事情により、この期間を超えて時間がかかったものと予想されます。
【了】
プロフィール
簾田 桂介(Keisuke Misuda)
弁護士。GamesLawメンバー。サッカーやeスポーツの健全な発展を、法的側面から支援します。