限界が見えた守備偏重のサッカー
加入1年目の前田遼一が少しずつチームにフィットした【写真：Getty Images】
森重真人、丸山祐市といった日本代表クラスが名を連ねる守備陣が安定した力を発揮し、チーム全員が『相手にゴールを与えない』戦いを実践。そして、武藤嘉紀らスピードのある前線が素早く敵陣へと攻め込む形を確立。攻守共に手堅いチームは1stステージ2位と躍進した。
だが、夏に武藤がブンデスリーガのマインツへ旅立つと攻撃の威力が減退。2ndステージは厳しい戦いを強いられることになった。加入1年目の前田遼一が少しずつチームにフィットし、得点を重ねるようにはなったが、中断期間に獲得したネイサン・バーンズやサンダサは途中加入ということもあり、力を出し切るには至らなかった。
また守護神の権田修一がオーバートレーニング症候群を発症して離脱。榎本達也や夏に補強したブラダ・アブラモフが奮闘し、ダメージを最小限に抑えたものの、正GKの不在が痛手だったことに変わりはない。
守備に重点を置いたチームだけに得点を奪うための型は少なく、前線の個に依存することも多かった。そうした中で失点が重なれば、星を落とすことは明白だった。2ndステージ最終節のサガン鳥栖戦では失点こそしなかったが、得点も奪えずスコアレスで試合終了のホイッスルを聞いた。この結果、ガンバ大阪に順位を逆転され年間4位でフィニッシュ。万年中位という印象は払拭したが、タイトルを獲得するには足りないものもあるという事実を突きつけられるシーズンとなった。
