ロンドンの成功例、手薄なポジションから人選を占う
そういう献身性と責任感を持たなければ務まらない仕事なのは事実だろう。彼は「自分がアテネに行った経験もすごく役立ちました」とも話しており、やはり世界大会の厳しさを実体験したことは大きな武器になるのだ。
今回、オーバーエイジ枠を使うのであれば、ロンドンの成功例を参考にすべきではないか。今のU-23日本代表の足りない部分を補えて、チーム全体が一体感を損なうことなく融合でき、さらにワールドカップか五輪に出ている人材がいれば理想的だ。
手倉森ジャパンの現状を見ると、最終予選でやや層の薄さを感じさせたサイドバック、傑出した得点力を持つFWがテコ入れが必要なポジションと言える。
特にサイドバックは、室屋成(明治大)が奮闘し、山中亮輔(柏)はリスタートで光るものを見せたが、松原健(新潟)と亀川諒史(福岡)はアジアレベルでもミスが目立った。オーバーエイジで長友佑都(インテル)や酒井高徳(HSV)のような両サイドをこなせる選手がいれば非常に心強いはずだ。
アタッカーにしても、傑出した得点力を持つ選手がいない。久保裕也(ヤングボーイズ)や南野拓実(ザルツブルク)が今季後半に大ブレイクし、国内組のFW陣も急成長すればいいが、それも簡単ではなさそうだ。
そこで、A代表の重要な得点源である岡崎慎司(レスター)の起用を考えてみるのも一案ではないか。彼は北京での悔しい思いがある分、高いモチベーションを持ってリオに行けるはずだ。
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