噛み合った連携。味方選手も理解深める
本田を経由し、チームはポゼッションを続け、人もボールも動く。個々の距離が遠く、個人技に走りがちだったミランで本田がこのようなプレーを演出できる日が来るとは、少し前なら想像できなかった。
「アシストが増えたことによって、ちょっとずつ周りの動き出しが増えた」と前節で本田は語っていたが、周囲の評価基準が確かに変わってきている様子は内容からも見て取れる。
「要求したことはやってくれるし、プレーの内容は常に良い。誤った姿勢で(練習や試合に)臨むこともない。監督にとってもチームにとっても、彼のような選手がいることは重要だ」。シニシャ・ミハイロビッチ監督は試合後、本田についてそう語った。
プロ意識と献身性で本田圭佑という人間を理解した彼らは、選手としての彼の特性にも合わせ、それを活かそうとし始めている。「選択肢が増えれば、もっと周りを活かせられる」と語る本田が、さらにどういう還元をチームにもたらすのか。上昇機運を掴み始めたチーム共々、後半戦が本当に楽しみになってきた。
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