ゴールもアシストもなくとも…評価を上げた本田
「ウチは本田を最優秀選手に選出した。採点を担当したのは私ではないが、自分が付けるとしても7だ。ダービーに引き続いて良かった。攻撃と守備をあそこまで両立できるのは素晴らしい。(アレッシオ・)チェルチなんかには絶対に無理な仕事だった」
ミランが2-0で完勝をおさめたパレルモ戦後、フル出場した本田圭佑について『コリエレ・デッラ・セーラ』のアレッサンドロ・ボッチ記者はこう語った。もともとプレー内容を注視する記者の発言ではあったのだが、ノーゴール、ノーアシストであるにも関わらずこの高評価には驚いた。
もちろん4日の朝になれば、結果が出ないことを批判する新聞も出てくるかもしれない。しかしダービーから、いや第20節フィオレンティーナ戦あたりから、本田のプレー内容そのものが評価されだしつつある。それは、現地取材を通して肌で感じるところである。
もっともパレルモ戦での本田のプレーに、普段と違うことをしている様子は見受けられなかった。右SBイニャツィオ・アバーテが一気に攻め上がれば後方のカバーに入ったり、味方がボールをロストして逆襲を喰らった時にはいち早く戻ったり、という献身性はこれまで通り。右サイドを基準にシンプルにパスを回し、内側に絞って攻撃へ絡むポジショニングもこれまで通りのものだ。
違うのは、そういったプレーが急速に周囲と噛み合い、連動するようになってきたということだ。ミラノダービーの勝利を受け、チーム全体としてもムードが良い中で挑んだ今回のパレルモ戦では、そのあたりの向上ぶりがはっきりと出ていた。