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プレミアが抱えるユース事情の闇。広がる1軍とのギャップ、減り続ける“生え抜き選手”

text by 山中忍 photo by Getty Images

広がり続ける1軍とユースのギャップ

ジェイミー・ヴァーディー
今季のプレミアで得点を量産するヴァーディもユース時代は2部のトップチームに昇格できなかった【写真:Getty Images】

 問題はユースと1軍との間のギャップ。当のユース選手たちは、精神的にも1軍の遠さを感じているに違いない。近代的なプレミア勢の練習施設では、同じ敷地内でもユースと1軍の設備が意識的かつ物理的に隔てられている。若手は先輩のスパイク磨きや使い走りから解放される一方で、憧れの1軍選手から直接インスピレーションを得る機会が乏しいわけだ。

 もう14年前のことになるが、筆者はリーズ(当時プレミア)のユース指導者と車で試合会場に向かったことがある。同乗していたU-18レベルの選手はキットマン(ホペイロ、用具係)の手伝いをすることになっていた。

 用具を運び、更衣室にユニフォーム一式を準備する手伝いのご褒美は、試合前後とハーフタイム中の1軍ロッカールームを生で体験できること。多感な10代選手は「いつかは自分も」との決意を新たにせずにはいられなかっただろう。今時のユース選手はというと、割当てられた席でのスタンド観戦が精一杯だ。

 一方、1軍の監督陣はユース出身者の「未熟」を指摘している。レギュラーにサイド・ベラヒノしかユース上がりがいないウェストブロムウィッジのトニー・ピュリス監督もその1人。ピュリスは「実戦レベルでの競争力が足らない」と言う。かつてのリザーブ(2軍)リーグに代わるU-21リーグとプレミアとのレベルの差はFAも認めており、1軍練習参加やレンタル移籍活用の促進などが検討されてはいる。

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