エース宇佐美失速も…総合力で見事カバー。長谷川采配冴え渡る
シーズンを通してリーグ戦で19得点を挙げながら日本代表にも継続して招集されていたエースの宇佐美貴史は、後半戦で急失速した。2トップの一角から左サイドやトップ下へポジションを移した影響もあったが、長くゴールに絡めない時期が続いた。もしこの停滞がなければ…と考えてしまうが、他の選手たちの奮闘に光るものがあった。
相棒パトリックが前線をけん引すれば、東口順昭がゴールに蓋をし、丹羽大輝らDF陣も懸命に体を張る。シーズン後半に加入し控えだった長沢駿も要所で結果を残し、19歳の井手口陽介も物怖じしないプレーで飛躍的に成長。ベテランの遠藤保仁と今野泰幸は相変わらず安定感抜群のプレーで中盤を支えた。
そういった周囲のサポートもありながら終盤に持ち直した宇佐美はエースとしての責務を果たしたと言える。またメンバー選考や絶妙な交代タイミングで的確にメッセージを伝え、選手たちが最大限の力を発揮できる環境を作り出した長谷川監督の好采配も非常にポジティブだった。
今季は厳しく長いシーズンを戦い抜いたほとんどの選手が残留し、新戦力も充実。確実に戦力アップした状態で開幕を迎える。U-23チームはJ3を戦うため難しい選手起用を強いられる時がくるかもしれないが、過密日程を戦い抜けるだけ質と量を備えたチームはタイトルだけを見据えている。