いつもはブーイングだが…観客は本田に拍手
スタンディングオベーションだった。ミラノダービーの後半44分、本田圭佑は交代を命じられた。するとスタンドのファンは一斉に立ち上がって拍手をし、ベンチへと下がる本田を迎えていたのだ。
本田にサン・シーロで拍手が送られること自体、久しぶりに見る光景だ。これまではチームが勝っていた試合でも、本田が交代させられるとまるで親の仇であるかのようにブーイングが飛び続けていたのだ。昨シーズンの序盤で得点を重ねていた時でさえも、こうではなかった印象がある。懐疑的に見ていたファンも多かったのだろう。
いや、やはりそれがダービーでチームを勝たせる活躍をしたということの意味か。実際プレー内容には、十分その説得力があった。
まずは得点への絡みだ。マンマークの強いファン・ジェズスが張り付き前半には多少ロストが多かったが、自らのアシストで試合の均衡を破ってみせた。前半35分、CKからの流れで右サイドに張り、後方からボールが供給されたところでマークを外し、左足でアーリークロスを入れる。スピードがあって巻いたボールは、ファーに飛び込んだアレックスの頭を正確に捉えた。
最近定位置を確保している本田だが、パフォーマンスの継続性がアシストには表れている。12月17日のコッパ・イタリア5回戦サンプドリア戦から数え、これで8試合で5アシストだ。26日のコッパ・イタリア準決勝アレッサンドリア戦でも2度あわやというシーンがあり、ダービーの後半でもカルロス・バッカへ正確なラストパスを供給している。
本田もコメントの中で語っていたが、ボールが来ることを信頼して動いてくれる選手が試合を追うごとに増えてくる印象で、先制点のアシストはその結実とも言える部分だ。