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日本代表 9年前

U-23代表が抱く自信と危機感。リオで勝つために“レギュラー奪取”を

text by 元川悦子 photo by Asuka Kudo / Football Channel , Getty Images

短期間で急成長を見せた選手たち

櫛引政敏
櫛引政敏【写真:Getty Images】

 5試合に先発したGK櫛引政敏(鹿島)も5試合4失点の堅守に貢献した1人。ゴールマウスで勇敢な仕事ぶりを見せた彼は「ピンチのシーンで止めたところは個人的によかった。守備陣は大会通して粘り強くやれた」と冷静に振り返った。

 大会前には昨季アビスパ福岡J1昇格の立役者となった中村航輔(柏)が負傷離脱し、GK自体が不安視される状況もあったが、櫛引はその悲観的な見方を一蹴した。

 彼を筆頭に、右サイドバックの室屋成(明治大)や原川力(川崎)もそうだが、大会中に予想外の面々が急成長したこともプラスに働いた。

「(準々決勝の)イラン戦で左足で(決勝ゴールを)アシストした後、大学のスタッフやチームメートから『あんな左足見たことないぞ。大学で手抜いてるやろ』って言われました」と室屋は周囲から成長を認められたことを冗談交じりに語っていた。

 このように大舞台でインパクトの仕事をやってのけたことは、今後の大きな財産になるはずだ。

 準決勝のイラク戦で原川が後半ロスタイムに決勝点を奪ってリオへの切符を手にしたことなどもチーム全体の成長の証と言える。遠藤もこう語っている。

「2012年にU-19でイラクに負けた時よりは間違いなく成長していると思った。球際で戦うこと、気持ちを前面に出してプレーするってことはどの国も当たり前にやっている。

 それに加えて、監督がよく『柔軟性』と『割り切り』とよく言っていますけど、90分の中でどこが勝負どころなのかとか、流れが悪い時に失点をせずにしのげるかとか、どうゲームメークするのかといったところの判断は当時より確実についてきたと思います」

 植田や櫛引も「試合をこなすごとに自信が湧いてきた」と揃ってコメントしたが、決勝トーナメントを勝ち進むにつれて進化や前進を実感できたことは大きな収穫ではないか。

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