トップ下から右ウイングで定位置を取り返した本田
しかし、彼自身は諦めてはいなかった。右MFもしくは右ウイングとして一度は定位置を掴み変えていたアレッシオ・チェルチが乱調で指揮官の信頼を失うと、再び本田にチャンスが巡ってきた。
すると、戦術的タスクを理解し厳格に従う規律の高さと、タフなハードワークを可能にするフィジカルと持久力の強さを発揮。12月17日のコッパ・イタリア4回戦サンプドリア戦で短い時間ながらアジストに成功すると、3日後のセリエAフロジノーネ戦でも先発出場から1アシストを記録した。
そして今は、不動のスタメンに返り咲いている。本来のトップ下では定位置を守れず、逆に右サイドならはまったというのもまた皮肉なものである。ただチェルチがジェノアに移籍した今、他に代えはいない。しかも「こちらが言ったことを理解し全てやってくれる」とミハイロビッチ監督は本田に厚い信頼を寄せている。
一度はスタメンを追われながらも、ハードワークをこなせるための体を作ってきていたことは、プロ意識の高さを示すものでもある。ただしミハイロビッチ監督は、その上で「もちろんもっと決定的なプレーをするようになってもらわなければならない。ゴールももう少し決めてもらわないと」と本田に苦言も呈している。
コッパ・イタリア準決勝アレッサンドリア戦では決定的な場面でシュートをミスしたが、次こそは結果をもぎ取りたいところだ。