「なかなか思うような戦いが出来なかった」
2-0という名の辛勝だった。2016年1月30日、ブンデスリーガ第19節、2位ボルシア・ドルトムントは10位インゴルシュタットをホームに迎える。ドルトムントにとっては、後期のホーム開幕戦である。
冷たい風が吹き、ピッチは雨に濡れた。そんな悪天候を反映するかのように、前半のBVBは精彩を欠いた。もちろん天候とチーム・パフォーマンスの間に直接的な関係はないが、BVBからは、前節にボルシアMGを相手に快勝したような連動が失われていた。
香川真司は「なかなか思うような戦いが出来なかった。連係不足はあった」と振り返る。8分、後方のムヒタリヤンからのパスを、ラモスがエリア内の右からゴール前に折り返そうとするが、トラップミス。ファーには香川が走り込んでいたが、チャンスは潰えた。
オーバメヤンは「インゴルシュタットはディフェンスがとても良く組織されていた」と感じた。決して引くことなく、タイトに、時としてラフにBVBに向かう。早い寄せと、スライディングタックル。
インゴルシュタットのCBマーヴィン・マティプは「今日の僕らのフットボールは常にスペクタクルなものではなかった」と振り返る。
「ドルトムントの方が良かった。だけど僕らは全身全霊を込めて、ファイティングスピリットを示したんだ」
ドルトムントは16分に直接FKからチャンスを作り出したが、20分を過ぎてなお、シュートまで持って行くことが出来ない。
35分。ドゥルムの左サイドからのクロスに、飛び込んだオーバメヤンが右足で合わせる。GKエツチャンが弾く。ラモスが頭で詰めるが、ゴールの右に外れる。前半で唯一と言っていい決定機だった。インゴルシュタットのタフな守備を向こうに、BVBは“らしさ”を発揮できなかった。