安定した“カネとヒトの流れ”
降格圏から抜け出そうとするハノーファーは、山口蛍(150万ユーロ:約19億円)、アダム・サライ(レンタル)など5名の選手を獲得したが、今冬のブンデスリーガのクラブの中では例外と言える。
移籍市場専門サイト『トランスファーマルクト』によれば、1月28日現在、今冬にブンデスリーガのクラブに加入した選手の総数は38名、放出された選手の総数は37名となっている。この数は国内外の移動を問わない。
リーグ全体における、獲得による支出の総額は3772万1443ユーロ(約49億円)、放出による収入の総額は4310万ユーロで(約56億円)ある。ブンデスリーガとしては、537万8557ユーロ(約7億円)の黒字となっている。今冬の移籍市場における収支のバランスは上手く取れていると言えるだろう。
また新加入の総数38名の内、およそ3分の1に当たる13名の選手が後期の開幕戦で新天地でのデビューを果たした。シュトゥットガルトに加入したグロスクロイツ(217万ユーロ:約2億8000万円)は早速先発を飾った。
同じく先発したフランクフルト加入のフスティ(25万ユーロ:約3300万円)は、ボルフスブルク戦で左サイドからマイヤーの1-1の同点弾に繋がるクロスを上げ、ハノーファーに加入したアウメイダ(移籍金なし)はダルムシュタット戦で先制ゴールを決めるなど、早々と結果を残す者もいる。
これらの数字を総合すれば、ブンデスリーガ15/16シーズンの冬の“カネとヒトの流れ”は安定したものとなったと言えるだろう。健全かつ堅実という近年のイメージを踏襲する格好となった。
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