掘り出し物だけではなく、有望株の囲い込みも
ポルトの補強戦略はチェルシーやユベントスといったクラブに比べると、よりクラシカルな方法だ。期限付き移籍を活用するというよりは、自クラブで積極的に起用することで主力として成長させ市場価値を高めていく。そのため、クラブ内における選手の出入りは非常に激しくなっている。
とりわけ近年はUEFA大会を「見本市」として活用しており、ファルカオ、フッキ、ハメスといった選手たちはヨーロッパリーグ制覇に貢献したことで大きく価値を高めた。
チャンピオンズリーグに定着した直近5シーズンは、資金的にも余裕が出てきたのか「掘り出し物」の選手だけではなく、ダニーロやファン・キンテーロといった「有望株」を早期に獲得し即戦力として起用している。ダニーロは2011年にサントスでクラブ・ワールドカップに参加していた逸材で、キンテーロはセリエAのペスカーラで既にブレイクしていた。
ポルトの補強戦略を支える上で重要となっているのが言語の優位性で、ポルトガル語を母国語とするブラジル人選手を多く獲得している。また、ポルトガル国籍を持っている南米選手を外国人枠なしで獲得できるという点も大きい。
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