本田、決定機演出もアシストならず
残念だった。本田の試合内容自体はそれほど悪いものではなかったからだ。相手が精密なゾーンディフェンスを敷く中、そのギャップへと細かくポジションを取る。味方に無視されることは依然多いが、パスをつけてもらえば展開を動かす。前半33分のプレーが象徴的だ。フリーなスペースへ動いて後方のマッティア・デ・シリオからパスを受けると、ワンツーを成功させた。
あと少しでアシストとなるパスも2本出している。前半40分右サイドから中に絞ってボールを受け、振り向きざまに裏へ浮き玉へパス。バロテッリがゴール裏へ抜けGKと1対1になるが、なんとこれを凡庸に外した。さらに後半の27分ではエムバイエ・ニアンの足元に正確かつ繊細なスルーパスを出したが、あろうことかこれもニアンが雑なトラップで無駄にしている。
これらも味方が決めてくれれば、といったところだろう。ただバランサーとしてチームで外せない状態となっている現在、攻撃面での結果を残しておけば指揮官の信頼をさらに磐石なものにできたはずだ。「我われにもっと得点力があれば、勝ち点は少なくとも5、6ぐらい積み重ねることができただろう。問題はいつも一緒だ」とミハイロビッチ監督は語った。
次はミラノダービーになる。バロテッリやケビン・プリンス・ボアテンクはまだコンディションが上がりきっていないという。1月6日以降、戦術上での規律の高さが評価され起用され続けてきた本田は、コンディションが落ちなければ次も先発起用される可能性が高い。ただできれば、やはり攻撃面での結果が欲しい。今回の試合でゴールに近いところに行ったことがせめて吉兆であるといいのだが。
【了】