快進撃続けるアレッサンドリアにミハイロビッチ監督も警戒
クラブの隆盛は1950年代まで続き、ホームのジュセッペ・モッカガッタの収容人数はなんと25000人にまで達していたという。しかし1960年にB降格を喫してからは徐々に弱体化。モッカガッタも朽ちるに任せ、1995年の水害を機に改修をされるが約8000人規模のスタンドに改修された。
2003年には倒産を喫し、第5部(当時)のセリエDからの再出発を余儀なくされる。2010/11シーズンには現在ナポリを首位に導いているマウリツィオ・サッリ監督のもと第3部で3位となり、プレーオフ進出も果たすが八百長関与が発覚し4部に降格。その後も紆余曲折を経ながら、2013年からクラブの経営権を取得したルカ・ディ・マージ会長のもとで再建を図っていたところだった。
そして今シーズンは競争力のあるチームを完成させた。率いるのはかつて選手としてアレッサンドリアで活躍し、2012年からはコーチングスタッフとしてマンチェスター・シティに所属経験のあるアンジェロ・グレグッチ監督。ボローニャ、リボルノで選手経験のあるマッシモ・ロビーゾを中盤の主軸に据え、ビッグクラブの下部組織出身の選手たちも獲得した。そしてコッパ・イタリアでサプライズを起こすとともに、リーグ戦でも好調でAブロックの2位につけている。
さすがにミランとの戦力差は大きい。だがパレルモには3ゴール、ジェノアからは2ゴールを奪ってくるなど、攻撃力はAクラブ相手に実証済みだ。ホームのモッカガッタの収容人数が5827人と少なく、セリエAの規格にも満たないため会場はトリノのオリンピコが使用される。しかしチケットは17000枚をさばき、40台ほどのバスでサポーターが遠征するという。
格下相手に冴えない試合を続けてきたの今季のミランで、油断をして入れば予想外のダメージを負わされる可能性も出てくるだろう。「ダービーのために手を抜くような奴がいたら、そいつは日曜日にも出さない」とシニシャ・ミハイロビッチ監督は檄を飛ばすが、きっちり勝ち切ることができるか注目だ。
なおミハイロビッチ監督は若干のターンオーバーを予告しており、1月6日以来右サイドハーフとして出ずっぱりだった本田圭佑の出場は現在のところ不明だ。ただ背中に痛みを訴えるジャコモ・ボナベントゥーラが招集から外れているため、先発出場の可能性もなくはない。
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