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ジダンに訪れた試練。強力攻撃陣はなぜ沈黙したのか。群雄割拠のスペインで成功掴むには?

リーガエスパニョーラ第21節、レアル・マドリーはアウェイでベティスと対戦して1-1の引き分けに終わった。就任から2試合でともに5得点を挙げるなど好スタートを切ったジネディーヌ・ジダン監督だが、この日は攻撃陣が沈黙。ジダン監督がスペインで賞賛を集めるために不可欠なこととは?

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

封じられたビルドアップ。空回りしたサイド攻撃

ジネディーヌ・ジダン
ジネディーヌ・ジダン監督【写真:Getty Images】

 ジネディーヌ・ジダン監督にとって、真価が問われる時が早くも訪れたのかもしれない。

 ここまで、リーグ戦2試合を戦い、デポルティボを相手に5-0、スポルティング・ヒホンを相手に5-1と圧倒的な得点差で連勝を遂げ、選手の口からも監督交代を喜ぶ声が漏れていた。

 実際、ジダン監督は前任のラファエル・ベニテス監督が残していった課題をクリア。バラバラだった選手の意識を統一し、インテンシティを高めた。ただ、これらはあくまで修正に過ぎなかった。ベニテス監督がやろうとしていながら、選手の心をつかめなかった故に実現できなかったことをうまく引き継いだ。

 ベティスの本拠地ベニート・ビジャマリンに乗り込んだ今節もジダン監督は戦い方を継続。ガレス・ベイルが負傷により欠場となったが、代わって右ウイングに入ったのはハメス・ロドリゲス。“代役”と呼ぶには失礼なくらいの戦力である。

 対戦相手のベティスは、昨季2部を制して復帰した古豪。今季はここまで15位と降格圏にこそ沈んではいないものの、チーム総得点はリーグ最低の13点だけに、アウェイといえどマドリーは確実に勝ち点3を計算していたはずだった。

 しかし、ベティスはマドリーの長所を潰すことに成功。前線の選手が高い位置からプレスを仕掛けてDFラインからのビルドアップを防ぎ、自陣では中を固めてモドリッチとイスコの中盤を封じることでサイド攻撃を空回りさせた。

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