Jリーグの年俸ランキングを見てみると…
そして、この日のバルサは90分を通したパフォーマンスで劣りながらも、スアレスが1点目を生み出し、メッシが2点目を決めた。この2人はそのシーン以外に存在感を発揮することはなかった。
ほとんどの試合で内容・結果ともに相手を圧倒してきたバルセロナだが、この日は内容で劣りながら、それでも結果は手にした。それはサッカーの原理ともいえる“点の取れるFW”がいたからに他ならない。当たり前のことではあるが、決して目をさらしてはいけないのも事実だ。
対してマラガは、優れた内容の試合を演じても勝ち点を取ることはできなかった。それは、やはり“点の取れるFW”の不在が原因だろう。今季、チームで15得点17失点という成績がそれを表している。
ちなみに、参考までにJリーグの2015年度年俸ランキングを見てみると、
第1位 MF遠藤保仁(ガンバ大阪) 1億8000万円
第2位 DF田中マルクス闘莉王(名古屋グランパス) 1億5000万円
第3位 MF中村俊輔(横浜F・マリノス) 1億3000万円
第4位 DF中澤佑二(横浜F・マリノス) 1億2500万円
第5位 MF今野泰幸(ガンバ大阪) 1億2000万円
= FWペドロ・ジュニオール(ヴィッセル神戸) 1億2000万円
*所属は当時
FWの選手は5位タイに入ったペドロ・ジュニオールただ1人。もちろん、世界とJリーグでは比較は難しいが日本サッカー界に得点力のあるFWが育っていないことの証の1つにはなるだろう。
今後、日本の指導者たちが「バルサのようなチーム」を作りたいのならば、それ以前にまずは得点力のあるFWを育てなければならない。しかし、それは日本サッカーにとって最も難しく、最も向いていないのかもしれない。
【了】