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日本に「バルサのサッカー」は向いていないのか? マラガ戦、明暗を分けた“原理”の有無

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

マラガが実践したバルサ封じのプラン

 マラガはシャルレスとチョプの2トップがバルサのCBであるヴェルメーレンとマスチェラーノにマンマークともいえるほどのプレスを仕掛ける。すると、このCBコンビはミスを連発。

 さらに好機とあらばカストロとファンピの両サイドに加えて、中盤のカマーチョも積極的に前へ出ることでバルサのDFは混乱。完全に中盤と引き剥がされてしまった。

 これはピケの出場停止によってヴェルメーレンが代役を務めていた今季序盤から、ピケの復帰直後にかけて頻発していたことだった。この日も累積警告によってピケが不在だったことでマラガのハビ・グラシア監督の狙い通りとなった。

 そして32分、マスチェラーノのクリアボールをマラガの左SBミゲル・トーレスが奪取し、最後はファンピが決めて1-1とした。ここまでマラガは何度もゴールに迫っており、得点が入るのは必然ともいえるほどだった。

 しかし、前半45分のチャンスメイク数はバルサの2回に対してマラガは6回、シュート数は4回に対して9回といずれも大きく上回っていただけに本来であれば2、3点は入っているべき展開だった。

 バルセロナを相手にチームとしては完全に上回っていながら、スコアではタイまでしか持って行けなかったことはマラガにとって失敗だったといわざるを得ない。

 後半に入ると、ルイス・エンリケ監督はヴェルメーレンに代えてマテューを投入するなど修正を図る。対してマラガは前半にかなりの運動量でプレーしていたため、選手の動きは時間を経るごとに鈍くなっていった。

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