期限付き移籍を活用することで青田買いを加速させる
チェルシーが過去5シーズンで獲得した選手の中で、最も市場価値が上昇したのはエデン・アザール。獲得時の市場価値は3300万ユーロだったが(実際の獲得移籍金は4000万ユーロ)、現在は7000万ユーロまで上昇した。
注目に値するのは2番目に価値を上昇させたGKティボー・クルトワ(画像:中央)の存在だ。同選手は2011年にチェルシーに加入。獲得時の市場価値はわずか400万ユーロだった。しかし、クラブはすぐさま同選手をアトレティコ・マドリーにレンタルで移籍させた。
すると、アトレティコで大活躍をみせたクルトワは3年後の2014年にチェルシーに復帰。その頃には一流GKの仲間入りを果たしていた同選手の市場価値は2500万ユーロにまで上昇していたのだ。そして、復帰後はGKペトル・チェフから先発を奪い、クルトワの市場価値は現在3500万ユーロにのぼっている。
クルトワはチェルシー復帰を果たしたが、そのまま他クラブへ移籍した選手も多く存在する。チェルシーが注目に値するクラブである理由は、そういった“クラブに残留できなかった選手”も大きく価値を上昇させているからだ。
ロメル・ルカク(画像:右)、モハメド・サラー(画像:左)、トルガン・アザール、ケビン・デブルイネといった選手たちは、期限付き移籍を経て大きく価値を上昇させ、新たなクラブへと巣立っていった選手たちだ。チェルシーは期限付き移籍を活用することで、より多くの若手選手を獲得することを可能にしており、その選手たちを“干す”ことなく成長させることに成功している。