十分な準備期間を生かせず
2016年リオデジャネイロ夏季五輪の出場権が争われる2016年AFC U-23選手権はグループステージの3試合を終え、8チームが準々決勝へと駒を進めた。2012年五輪で準決勝に進んだ日本と韓国の他、イラク、カタール、北朝鮮、UAE、ヨルダン、そして当然ながらイランも決勝トーナメント進出を果たしている。
“チーム・オミド(希望)”の名で呼ばれるイランのこの年代のチームは、もう30年以上も五輪本大会に参加しておらず、若きスター選手たちは「今回こそは」の思いを抱いて毎回の大会に参加してきた。
現在のイランの若手チームを率いているのは、元代表DFである若手監督モハマド・ハクプール。2011年に監督を務めたスティール・アジンでは成功を収められなかったが、その後五輪代表チームのテクニカルディレクターに任命され、2014年末には監督に就任。昨年10月にはWAFF U-23選手権で優勝を飾った。
ハクプールのスタッフの一員には、チームマネージャーとしてマイェリ・コハンも名を連ねている。有名ではあるが賛否両論ある指導者で、過去に2度代表監督を務めているものの、1996年アジアカップでの3位を除けば成功を収めることはできていない。
3月のU-23予選を順調に突破した後、ハクプールとチームには半年以上の十分な準備期間があった。だが予定されていたベトナム、イラクとの親善試合は相手チームの都合で中止され、北朝鮮との試合も負傷への不安からイラン側がキャンセル。WAFF U-23選手権を除けば、公式な親善試合はオーストラリアと1-1で引き分けた1試合しか戦っておらず、あとは欧州クラブのユースチームとの非公式な試合を何度か行ったのみだ。