3部ピーターボロ時代のコナー・ワシントン【写真:Getty Images】
イングランド代表FWチャーリー・オースティンをサウサンプトンへ売却したQPRは19日、後釜にリーグ1(3部)のピーターボロ・ユナイテッドからコナー・ワシントンを獲得した。23歳のストライカーは3年半契約でステップアップを遂げている。
QPRで9番を受け取ったワシントンは、これまでノンリーグ(アマチュア)のセント・アイブスFCから4部ニューポート・カウンティ、3部ピーターボロと地道にキャリアを積み重ねてきた叩き上げだ。
移籍に際し「この18ヶ月で選手として成長したと感じている。メンタリティが変わり、より良い選手になった。でも、これからもっと上手くなれると思う。そしてQPRで僕のポテンシャルをフルに発揮出来ると信じている」と、これから待ち受ける未来へ自信を覗かせた。
さらにワシントンには興味深いエピソードがある。英紙『デイリー・メール』によれば、同選手はニューポートへ移籍する前のノンリーグ時代、今から3年前まで郵便配達員として働きながらプレーしていたという。
朝5時半から郵便物が満載されたバッグを背負ってバイクにまたがり、各家庭へそれらを配達していた苦労人は「恐ろしい日々だった。年始の頃は凍えるほど寒いし、バイクに乗ったばかりだと恐ろしい量の荷物があるんだ。クレイジーだよ。でも正直言うと本当に楽しんでいた。僕が仕事をサボったことはないからね」と、下積み時代を振り返る。
それでもコツコツ努力を積み重ね、ついに2部まで上り詰めた。今季は3部で25試合に出場して10得点を挙げ、280万ポンド(約4億6000万円)という移籍金からも期待の高さがうかがえる。QPRのジミー・フロイト・ハッセルバインク監督もワシントンの実力を高く評価しているようだ。
過去にレンガ職人として働きながら9部でプレーし、プレミアリーグ、さらには代表まで上り詰めた先輩オースティンにならい、成功を勝ち取ることができるだろうか。5部から駆け足でステップアップを遂げたジェイミー・ヴァーディーの大ブレイクも話題になったが、イングランドでは”苦労した経験”が成功の鍵になっているのかもしれない。
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