ミラン主将も本田の戦術眼を称賛
もちろん攻撃的なプレーヤーとしてゴールやアシストなどは常に追求すべきだし、本田本人にも当然その気持ちは強いことだろう。ただやはり、戦術的にチームとしての総合力が問われる試合ではハードワークへの参加が必須だ。
「まずは組織の規律、それに従えば個人のクオリティは自然と出る」という格言もあるので、組織プレーに機能していることは今後のゴールにもつながると期待したい。
それにしても、観客の反応だけは最後まで厳しかった。本田が懸命にカバーに走って相手の攻撃をしのいでも拍手は皆無、逆に少しでもタッチが乱れたらブーイングだ。カウンターをつぶすようなミスに対してはもちろん致し方ないが、30メートルくらいの距離を走って戻るようなプレーにはもう少し暖かく見てあげてもいいだろうにとも感じた。
実は、そんな本田については主将のリッカルド・モントリーボが擁護している。彼は地元TVのインタビューの中で「ケイスケはなかなかファンには愛してもらえないけれど、注意力や戦術眼という点では信じられないほど凄い選手だ。DF並みの守備をしてくれるような、僕たちにとっては重要な選手なんだ」とファンに理解を求めていた。
今後にチームが勝ち続ければ、ハードワークという点にももっと光が当たるはずなのだが…。とりあえずこの勝利が、ミランにとっても本田にとっても転機になることを願いたい。
【了】