ジダンに求められる次なるステップは?
その一方で、後半の45分間には今後に向けた課題が見えた。
前節と前半でキーマンともいえるパフォーマンスを披露していたベイルが負傷によりヘセと交代すると、後半からはチームは勢いを失った。もちろん前半で5点のリードを奪っただけに力を抜くのは不思議なことではなく当然である。
しかし、ベイルに加えてベンゼマをも負傷で失うと、これまで見せていた連動性は消え去った。スタッツを見ると、シュート数は12本から5本へ、チャンスメイク数は9回から5回へと減少させた。
その結果1点を奪われ、オプタのデータを基にしたレーティングでは前半は7.73:5.52と大きく上回ったものの、後半は5.95:6.58とヒホンを下回る内容となってしまった。
修正能力の高さは示したジダン監督だが、今後はサブの選手をチームの中で活かす方法を見つけ出さなければならない。そして、それを可能とするのは自らのコンセプトを明確に打ち出し、チームにカラーを植え付けること。ぶれないプランを持てばチーム力を下げずに選手を入れ替えることができる。
今後、バルセロナやアトレティコ・マドリーといった強力なチームとの対戦やCLを勝ち抜くためには不可欠なことであり、特にベイルとベンゼマが離脱となれば、1日も早くチームの成熟度を上げなければならない。
これまで世界各国の“名将”たちを切り捨ててきたマドリーだが、ジダンが歴史を変えるためにはここからが正念場となるだろう。
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