監督はなぜ本田を評価するのか
「誰かにとっては面白くないかもしれないが、本田はいつも全力を尽くそうと頑張ってくれる、信頼の置ける選手。すごいことをするタイプではないが、言ったことはちゃんとやってくれる。それもまた選手には重要な資質だ」
16日、フィオレンティーナ戦に向けた前日記者会見の中で、ミランのシニシャ・ミハイロビッチ監督は本田圭佑を褒めた。監督の指示をよく聞き、それを忠実に実行し、チームのことを考えてプレーする。戦術面での規律の高さで貢献していることの重要性を認めたのである。
シンプルなパスで球離れを早くし、チームのボールポゼッションを演出する。そして守備のバランスも常に考えてプレーする。右サイドハーフでプレーした本田は、そういったプレーで監督にも、またチームメイトからも確かに信頼を勝ち取っているのである。
前節のローマ戦でこんなエピソードがあった。試合終盤、CKによる攻撃からカウンターを奪われた時、前線に入らなかった本田は左にカバーへ入った。そして相手の攻撃の流れがしばらく切れなかったため、一時的に左MFへ入って、その位置でチームのバランスを保つようにプレーした。
およそ4、5分後に流れが切れたところで、本田は前線に残っていたジャコモ・ボナベントゥーラを左へ呼び、本来の右へと戻った。
するとその時、右へと移動する本田に対し、主将のリカルド・モントリーボがハイタッチをしてきたのだ。守備の乱れそうな局面で、組織バランスを保つよう努めた本田の労をねぎらうメッセージであったことは上からも見て取れた。