目指すは世界に通用する選手の輩出
国外クラブとの提携アカデミーで国内最初の成功例となっているのが「黄金世代」と呼ばれる一昨年までのU-19ベトナム代表で一躍有名になったHAGLアーセナルJMGアカデミーだ。
イングランド1部アーセナルおよびフランスJMGアカデミー(元フランス代表ジャン=マルク・ギルーが設立)と提携し、フランスから指導者を招いて、全国セレクションで集められた子供たちに英才教育を施している。
昨年は第1期生が揃ってホアン・アイン・ザライ(HAGL)のトップチームに昇格。平均年齢21歳というリーグ最年少チームで14チーム中13位という成績を残し、辛くも1部残留を果たした。
選手の国外移籍を推進する同クラブからは今季、いずれもU-23ベトナム代表のFWグエン・コン・フオンが水戸ホーリーホック、MFグエン・トゥアン・アインが横浜FC、MFルオン・スアン・チュオンが韓国の仁川ユナイテッドにそれぞれ期限付き移籍する。
なお、同クラブは、不動産開発大手のHAGLグループが所有するクラブで、会長のドアン・グエン・ドゥック氏は、ベトナムサッカー連盟(VFF)副会長も務めている。
三大育成機関の残るもう一つであるPVFは、近年の国内選手権で目覚ましい成績をあげているホーチミン市の育成機関。国内最大企業ビングループが出資しており、潤沢な資金力を誇る。
頻繁にアジアやヨーロッパへの国外遠征を行っており、将来的には世界に通用する選手を育て、選手を他国へ輸出することを目標としている。PVFでは現在、ガンバ大阪との提携話が進んでおり、今後は日本から指導者を招いて日本流の指導法を取り入れていく方針だ。
【次ページ】横浜FCなど、Jクラブとの間でも進む業務提携