東南アジアでの経験は選手にどう役立ちますか?
――サッカーで生き残っていく術を身に着けてほしいということですね。
「Jリーグで、うちのチームで長くプレーすることだけが成功ではない。もし数年で今のJリーグでは厳しいと思ったとしても、東南アジアへ行って自分がプロサッカー選手だと認識できたら、そこでどうやってご飯を食べていこうか必死に考えると思う。
その時に、たとえばタイで評価されて、2~3000万円もらえるみたいなこともあって、日本だけじゃなく東南アジアや世界のどこでも力があればご飯を食べられる。その感覚を身に着けてほしいなと思っている」
――若い選手にはできるだけ厳しい環境を経験さるべきということでしょうか。
「2年、3年でうちと契約満了しても、それがすべてではないと思う。どうしてもプロ野球の感覚が日本には根付いているのかもしれないけど、12球団を解雇された後にプロとしてやっていける場所が少ない野球と違って、サッカーは世界中にマーケットがある。
どこへ行っても、自分がプロサッカー選手であって、自分に力があると思っていれば、どこでも食べていけるし、それがプロサッカー選手。
だから若い選手にはどこへ行ってもやっていけるメンタリティを身に着けてほしいし、プロサッカー選手でやりたいなら、この世界はこういうところだよというのを2、3年のうちに教えてあげた方がいいと思っている」
【了】
野々村芳和(ののむらよしかづ)
1972年生まれ。現株式会社コンサドーレ(北海道コンサドーレ札幌の運営会社、2016年1月より「北海道フットボールクラブ」より社名変更)代表取締役社長。慶應義塾大学卒業後の1995年にジェフユナイテッド市原でプロデビュー、2000年にコンサドーレ札幌へ移籍。TV番組「Jリーグラボ」などでの歯に衣着せぬ発言はサッカーファンの間でも話題。
※編集部より:北海道コンサドーレ札幌の野々村芳和社長のインタビュー原稿を不定期連載でお届けしています。野々村社長に聞きたいこと、質問などありましたらフットボールチャンネルのTwitterやFacebookなどでお気軽にお問い合わせください。次回取材時の参考にさせて頂きます。