どうして若手選手を東南アジアに移籍させるのですか?
――コンサドーレではアカデミー出身の選手を期限付き移籍で東南アジアへ武者修行に出すことがあります。これは札幌のアピールではなく、経験を積ませるためですか?
「それはそう。よく言われることだけど、クラブユースで育ってきた選手はちょっとぬるい感じがする。コンサドーレのアカデミーで育ってきていると、チヤホヤされていて大人になりきれない、精神的なタフさが足りないと思うところがすごくたくさんある。
だったら環境的には良くないところに1年、2年行かせるのが何か変わるきっかけになるんじゃないかと思う」
――経験豊富なベテラン選手がいるだけでは、それは補えないものですか?
「長く一緒にやれば伝えられることはもちろんあると思うけど、すぐには難しい。アカデミーで育った選手を東南アジアへ行かせるのは全然悪いことじゃないし、むしろプラスに考えている」
――もちろん彼らの才能を疑うわけではないですよね。
「1年目か2年目の選手って、この先どうなっていくか、良くなっていく可能性でしかない。たとえばうちに残って中心になっていく可能性、国内でやっていける可能性…。でも、まだ本物じゃない。
その時に東南アジアのようなレベルが少し低いところに行って、1、2年で自分の名前を売れたなら、そっちでのキャリアも自分の力で成立させることができるかもしれない。そのくらいのつもりで行ってほしいと思って出している」
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