興味が尽きないプレミア監督の「玉突き人事」
候補の第2グループには何とペジェグリーニも含まれている。攻撃志向で、与えられた選手を黙々と指揮し、穏健で物議を醸す発言も少ないという、モウリーニョとは対照的な持味が評価されているようだ。だが、大穴はトッテナムで監督2年目のマウリシオ・ポチェッティーノ。ユナイテッドにも共通の大穴だ。
43歳のアルゼンチン人指揮官は、前任地サウサンプトン時代から攻撃と育成の積極姿勢を明確に示してきた。4位で年を越した今季のトッテナムには「優勝」の声が上がり始めてもいる。ポチェッティーノのヘッドハントは、トッテナムで監督を慕うハリー・ケインやデレ・アリといった若き主力の引抜きという期待も抱かせる。自身も有望な若手監督であるポチェッティーノの野心は、トッテナムからの誘いにサウサンプトンを就任1年半で去っていることからも明らかだ。
ポチェッティーノを失った場合のトッテナムには、1月4日にマドリーを解雇されたラファエル・ベニテスの線が浮上している。プレミア復帰を希望している本人にとっても魅力的だろう。監督としての第2の故郷リバプールはユルゲン・クロップ新体制が始まったばかりで、ニューカッスルとアストンビラの今季降格候補ぐらいだった選択肢にトップ4候補が加わったのだ。
トッテナムは4年前のアンドレ・ビラス・ボアス雇用前にも自分を欲しがってくれた経緯がある。昨年中から内定済みとさえ言われるグアルディオラのシティ行きから、意外なベニテスのトッテナム入りまで、プレミア監督の「玉突き人事」に対する興味は尽きない。
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