白熱するプレミア監督人事の噂。ペップはシティへ?
ジョゼ・モウリーニョがチェルシーを追われ、マンチェスター・ユナイテッドでもルイス・ファン・ハールの去就が微妙な今季プレミアリーグ。白熱する監督人事の噂にはジョゼップ・グアルディオラという油まで注がれた。昨年12月に今季限りでのバイエルン・ミュンヘン退団が発表されたグアルディオラは、年明けに「イングランドで仕事がしたい」と語ったのだった。
新任地の最有力候補はマンチェスター・シティ。当人の古巣にして監督としての原点でもあるバルセロナの元役員、フェラン・ソリアーノとチキ・ベギリスタインを役員に迎えた4年前から就任へのレールが敷かれていたとも言える。エースのセルヒオ・アグエロをはじめとするチームの戦力と、“オイルマネー”を後ろ盾に持つ資金力は既にプレミア随一。それでいて、「新たなチャレンジ」を欲しているグアルディオラには、初体験のプレミアでシティを世界の強豪に進化させるというスケールの大きな仕事が待っている。
シティは今季開幕前にマヌエル・ペジェグリーニ監督と来季末までの新契約を結んだばかりだが、それも後任人事の噂を最低限に抑える手段にすぎないと見られていた。ペジェグリーニは過去2シーズンのプレミアで優勝と2位という成績。就任3年目の今季も、取りこぼしはあるが20節終了時点で首位アーセナルと3ポイント差の3位につけている。
チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦の相手がディナモ・キエフに決まり、クラブ史上初のCL8強入りの可能性も増している。その指揮官が今季末でお払い箱というのも残酷だが、後任候補が1軍監督キャリア8年半で計19冠のグアルディオラでは分が悪い。
理想のグアルディオラ新任地を挙げればパスサッカーの質でプレミア随一のアーセナルになるが、そのスタイルを植え付けたアーセン・ベンゲル監督は契約満了となる来季末までの続投を好むだろう。今季は12年ぶりのリーグ優勝が現実的でもある。プレミア王者となって身を引くという見方もあるが、筆者は逆に最後の1年への意欲が増すと見る。