先生のつながりから湘南への道が開く
「湘南ベルマーレユースの練習に参加してみないか」
Jリーグの下部組織入りを夢見ていた遠藤に願ってもない申し出が届いたのは、中3の夏直前。橋渡し役になってくれたのは、GKコーチの高橋先生だった。
「高橋先生が湘南のコーチングスタッフとつながりがあって、遠藤と桜井ともう一人FWの選手の三人を受け入れてくれることになったんです」(大野監督)
それから湘南ユースの練習会場だった伊勢原市の産業能率大学まで何度か足を運ぶことになったのだが、遠藤にとっては、何もかもが異次元の世界に感じられた。
「湘南ユースに行って一番驚いたのは、自分が本で学んだチャレンジ&カバーとかを普通にこなせてしまう人ばかりだったこと。『ホントにすごい』と新鮮さを感じたのをよく覚えています。ユースの試合も見ましたけど、将太(古林=名古屋グランパス)さんや翔雅(鎌田=清水エスパルス)さんたちが出ていてうまかった。
大介(菊池=湘南ベルマーレ)さんなんか高1でトップの練習に参加していた。そういうのを見て憧れました。ユースの監督だった曹(貴栽=現トップ監督)さんも『ウチはどうだ』と気さくに話しかけてくれて、すごくいい人だなと思いましたね。実はそれまで湘南のことは全く知識がなくて、坂本紘司(現営業本部長)さんの存在さえ知らなかったんです(苦笑)。J2でしたけど、Jクラブに行けるなら有難いなという気持ちでした」
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