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日本代表 9年前

6大会連続の五輪出場をかけるU-23日本代表。主将遠藤航の多様性がもたらす厚み

text by 藤江直人 photo by Getty Images

理想の選手像は万能型マルチロール

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U-23日本代表では主将としてチームを引っ張る【写真:Getty Images】

 ベルマーレでは、さまざまなポジションを任された。3バックで組む最終ラインの真ん中に始まり、最終ラインの右、ボランチ、アンカーに加えて、2015年シーズンはシャドーに回ったこともある。

 複数のポジションでマルチなタレントを発揮しながら、遠藤は理想として思い描いてきたプレーヤー像に近づいていると実感していた。

「自分としては、ここが飛び抜けているという選手にはなりたくないという思いがある。3バックの真ん中ならカバーリングやポジショニング、そして縦パス。右なら1対1での強さと攻撃面でのビルドアップ。

 ボランチやアンカーなら、最終ラインの前でしっかりと相手を潰せるディフェンス力や、攻撃にもっと関わっていく姿勢。すべての平均値を上げていく作業ですね」

 ピッチを離れれば22歳にして2児のパパで、牧歌的な雰囲気を漂わせる遠藤は、サッカーにおいてはとことん欲張りになると屈託なく笑う。

「各ポジションによって自分の引き出しが異なるというか、いろいろな特徴をその中から出していければ。そうしたほうが楽しいし、いま現在のサッカーはさまざまなことを求められる。

 将来的には海外でボランチやセンターバックとして、攻撃参加を含めて何でもできるプレーヤーになりたいと思っているので」

 リオデジャネイロ五輪を目指すU‐23代表では、手倉森監督をして「チームのへそ」と言わしめるボランチで代役の利かない存在となった。

 指揮官が最後まで思い悩んだ2枠に、ボランチの20歳の三竿健斗(鹿島アントラーズ)をサプライズで招集したのも、守備を固める場合に遠藤を最終ラインに下げ、180cmと上背もある三竿を最終ラインの前に配置するオプションを思い描いているからだろう。

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