五輪世代のなかでいち早くA代表に定着
どのようなルートをたどれば、成長する速度を加速させられるのか。湘南ベルマーレの2種登録選手としてJ1を戦った2010年シーズンから、遠藤航は常に考えを巡らせてきた。
たとえば、日の丸を背負って戦う舞台の頂点となるA代表に対しては、こんなビジョンを描いていた。
「オリンピックに行く前に、A代表には入りたいと思っている」
1993年の早生まれというプロフィールを見れば、開催時で23歳以下となる出場資格を得るリオデジャネイロ五輪世代のなかで最も年上の選手として、チームをけん引していく決意が自然と芽生えてきた。
実際に手倉森誠監督のもとで2014年1月に立ち上げられたU‐21日本代表に招集され、キャプテンを託される存在となってからは、A代表を強く意識するようになった。
「J1で戦ったことのある選手がA代表でプレーし、ワールドカップのメンバーに入る姿を見ていると親近感というか、A代表という存在がだんだん近くなってきた。
努力すれば手の届くところにあるんじゃないかと、自分の中では思えるようになってきた。A代表はサッカー選手である以上は目指すべき場所であり、そこへ入るこだわりは強くもっていきたい」
ハリルジャパンに招集され、3試合すべてで先発フル出場を果たした昨夏の東アジアカップで、A代表入りの目標は成就させた。9月以降のワールドカップ・アジア2次予選では、FW本田圭佑(ACミラン)をはじめとするヨーロッパ組ともピッチの上で同じ時間を共有した。
そしていま、自分のなかで「前提」にすえてきた、オリンピックの舞台に立つ戦いに臨もうとしている。