伊紙の称賛を浴びた“元10番”
右サイドハーフでポジションを争っていたアレッシオ・チェルチが放出対象となったことで、本田は出場機会が増加している。しかしながら、今冬にポジション争いの新たなライバルが登場した。かつてミランで背番号10番を背負ったケヴィン=プリンス・ボアテングの復帰だ。
ボアテングはフィジカル能力、狭いスペースでのプレー、判断スピード、この3つの能力全てで本田を上回っていると考えてもよいだろう。シャルケでプレー機会を失っていたため試合感覚が心配されていたが、ローマ戦では2トップの一角として途中交代を果たし、見事なプレーを披露した。伊紙からも本田を上回る好評価を獲得している。
ただし、ボアテングが素晴らしいプレーをしたとはいえ、本田の評価「6,0」に対してボアテングの評価が「6,5」と、「0,5」の差を生むほどであったとは言い難い。かつて愛されたエースの復帰ということで甘めの採点だった、というところが事実だろう。
それでは、次節からボアテングが右サイドハーフで本田からポジションを奪うのかと言えば、その予想は難しい。たしかに同選手は本田よりも“決定的なプレー”をできる選手である。しかしながら、シャルケでの長いベンチ生活を経て、未だ右サイドハーフで豊富な運動量とともに献身的な守備が出来るかどうかは不明だ。
ボアテングにサイドハーフを担う能力がなければ、ひとまずは本田が引き続き右サイドハーフの先発であり続けるだろう。現状では本田は“もう一人のライバル”であるエムバイェ・ニアンとの先発争いで勝利している。
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