蘇る「赤い彗星」
東福岡は、西日本の有望選手が多く集まることで知られる名門。17年前に2連覇を果たしたチームは、97年度の公式戦で52戦無敗という圧倒的な強さを誇り、当時U-18世代が出場していた国民体育大会を含めて高校サッカー史上初の全国3冠を達成した。
素早いパスワークと圧倒的な技巧を駆使したスタイル、そして圧倒的な強さから「赤い彗星」の異名を取った。現3年生は、プロ入りした中島賢星(横浜M)、増山朝陽(神戸)を擁した前年度に比べると評価が低く、リーグ戦でも残留が目標と言われた。それでも、夏は高校総体で連覇を果たし、リーグ戦は2位と健闘。高校選手権ではすでに前回のベスト16を超えている。
連係抜群の両翼を生かしてパスワークのスピードを上げられれば、昨年の先輩たちが果たせなかった夏冬2冠も見えて来る。三宅は初戦で1得点、橋本が準々決勝で1得点。大舞台に強いという三宅は、高校総体決勝で先制点を挙げており「準決勝でゴールを決めたかったけど、なかなか入らず、選手権にはつくづく嫌われているなと思う。
でも、神様が最後に取っておいてくれているのかもしれない。インターハイでもそうだった。残り1試合、何が何でも勝ちたい」と自らのゴールで優勝へ導く意気込みを語った。低評価を覆し、強い東福岡の印象を復活させるべく、両翼の蘇った「赤い彗星」が夏冬2冠へ突き進む。
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